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技術コラム

トルクと軸力の不安定な関係

2022.05.09
軸力

確実なボルト締結のためには、トルク管理だけでは不十分

ねじを使用する製造業の多くの方は、トルク法に基づくトルク管理を実施しているのではないでしょうか。トルクレンチを用いて設計時に定められた締付トルク値に達したかどうかを確認する方法が一般的です。しかし実はトルク管理だけでは、確実なボルト締結には不十分なのです。
弊社では、設計職や生産管理、保全業務など多くの技術職の方から「規定に従ってトルクを管理しているにも関わらず、ボルト締結後にゆるんだり、締付不良が起きたりというトラブルに見舞われる」というご相談を受けることが多くあります。そこで各種のトラブル対策を一緒に検討していくわけですが、まず重要なのは、正確なトラブルの原因をつかむことです。そのためには、基本的なネジ締結に関する概念を正しく理解していただく必要があります。今回のコラムでは、ねじ締結に本来は欠かせない「トルク」と「軸力」という言葉の意味、その関係性について解説していきます。より詳細な内容はダウンロード資料「トルクと軸力の不安定な関係」に記載しておりますので、ご一読ください。

さきほどは多くの製造現場でトルクレンチを用いたトルク管理が実施されていると書きましたが、実はそうでない場合も多く見受けられます。締付トルクを管理していない、という方については、これを機に社内でぜひご検討ください。確実なねじ締結のためには最低限、トルク管理は必要と言えます。例えば、どのようなケースかと言うと、古い製造設備を用いているプラントメンテナンス業務などでよく見聞きします。(あくまでも弊社が相談を受けるケースです。)設備の設計図は事業所内にあるものの、古い図面で文字が薄くなっているうえに外国語で書かれていて判読するのが難しいということが何度かありました。結果、記されているはずの締め付けトルクが分からないので、設備のボルトメンテナンス時に力の限り締め付けていると。またトルクレンチを使用せず、作業者のカンやコツに頼った締め付け方法も意外と多くの現場で実施されていました。いずれにせよ、確実なねじ締結のためには不十分と言えるので、基礎的な概念を理解することが欠かせません。

トルクと軸力の関係とは

もし「ボルトをしっかりと締めてください」と曖昧な指示を受けた場合、どのような締め方が具体的に〝しっかり″とした、なのでしょうか? 一定の手応え? 力の限り? 真顔で? 残念ながらどれも違います。

では〝しっかりとしたボルト締結″とはどのような状態を指すかといえば、〝適切な軸力″のかかった状態です。 〝軸力″とは簡単にいえば、〝固定力の強さ″です。そしてトルクとは、適切な軸力を出すために必要な回転力であるため、固定力とはイコールではないのです。
確実なボルト締結のために、過不足のない〝適切な軸力″を距離として、算数問題に置き換えると、距離【軸力】 = 速さ(その他の要素) x 時間【トルク】 となります。 このたとえでの時間は即ちトルクなので、先ほどの曖昧な締め付け指示は、歩幅も体力も違う人たちに「30分ほど先へ進んだ地点へ向かってください」とだけ伝えて意図した目的地への到着を求めるようなものです。当然ながら目的地に到達しない場合や、誤って通り過ぎる場合が出てきます。ちなみに通り過ぎると、そこに崖があるという危険な状態です。この崖の話については後述します。
普段、実際にボルト締め作業をされる方ほど、軸力という言葉にあまりなじみがないという事も弊社の経験上めずらしくありません。 
なぜなら軸力は、ボルト締結の強さを表す上で最も肝心な値でありながら一般的な方法では測れない、〝見えない力″だからです。 設計時にはそこにどのくらいの軸力が必要かはもちろん計算されます。しかし実際の締め付け作業の際に見えないものを目安に指示をしても意味が無いので、代わりにトルク値で表現されます。 つまり先程のたとえでいえば、本来は距離で伝えるべきところを所要時間で表現している状況です。

現場の方から挙がる声と問題点

「トルクをかけて軸力が上がるならば、どのみちレンチを回せば同じことではないか?」、 「トルクレンチで作業指示通りのトルクを掛けているから全く問題は無い」と考える方もおられます。
もちろん実際の作業では、カンに頼るよりもトルクレンチを使用される事は、とても重要です。ただし留意していただきたいのはトルクレンチが測るのはあくまでトルクである点です。先ほどのたとえでいえば距離の代わりに経過時間を測っているようなものですので、目的地へ向かう人が走り続けても休憩を挟んでも、関係なく一定時間で完了とします。 想定以下のペースによる目的地への未達、つまり締め付け不足はそのまま固定力の不足であり、ゆるみとして問題化します。
「それならトルクなど気にしなくても、力の限りトルクをかければ固定力不足の問題は解決するのではないか?」と考える方もおられるかも知れませんが、軸力の強さには限度があります。 ボルト締結は、バネの様に伸ばされたボルトが元に戻ろうとする力で軸部に抱えた被締結体を挟み、挟まれた被締結体はその圧縮に耐えて均衡する事で成立しています。 そして過剰な力を掛けると、バネは伸びたまま元に戻ろうとする力を失ったり、千切れたり、あるいは挟み込んでいるものを圧し潰してしまい結果的に固定が出来ません。 冒頭のたとえでいえば、目的地を行き過ぎてしまい崖から落ちてしまった状態です。目的地に届かなくても通り過ぎても問題なのです。

軸力を構成するトルク以外の要素について

また確実なボルト締結を(距離 = 速さ x 時間)という 計算式に置き換えましたが、このたとえでの時間は即ちトルクなので、あとは【速さ】がコントロール出来れば、ぴったり目的地に到着させる事ができると言えます。これはさほど難しい事ではないように思えますが、現実にはボルト締結の多くでゆるみ、あるいは締め過ぎによるボルトの破断、被締結体の陥没などが発生しています。 一体、なにがそんなに難しくてボルト締結の問題は常に発生するのでしょうか? なにか解決方法はないものでしょうか? 【トルクと軸力の不安定な関係】でもう少しだけ詳しくご説明していますのでご一読ください。

『トルクと軸力の不安定な関係』
についての資料ダウンロードはこちら

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