ねじインサートとは、建築物や構造物、機器等に埋め込まれる部品です。
その中でもワイヤーインサートというものがあり、こちらはめねじの補強・補修ができる部品です。
最近は製品の小型化、軽量化が進んでいる中で、自動車業界や半導体製造装置業界など幅広い業界で使用されています。
軽量化のため母材に軟質材料(※1)を使用することが多くなっており、それに伴いワイヤーインサートを入れることで補強する、つぶれてしまっためねじを補修するなどで活躍しております。
そんなワイヤーインサートですが、誤った使い方をすると挿入し辛い、抜けてしまうということだけでなく、場合によってはワイヤーインサートを入れているのにめねじの破損に繋がってしまう可能性があります。
ここでは「ワイヤーインサートの正しい設計方法」について解説していきます。
正しい設計方法を知ることでワイヤーインサート挿入後の破損を未然に防ぎ、交換や補修で負担がかかるリスクを回避できます。
※1…樹脂、アルミなど
ワイヤーインサートを間違って使うとどうなるか?
先述した通り、ワイヤーインサートが正しく使われてないとめねじの破損に繋がります。
めねじが破損してしまうとドリルで1~2サイズ大きな穴をあけて補修、場合によっては使用していた母材を廃棄して
イチからやり直さないといけないかもしれません。
そうなると費用も時間もかかり、作業者の方に負担もかかってしまいます。
めねじが破損してしまうよりは、おねじ(ボルト)が破損したほうが、その後のリカバリーがしやすいため、設計段階でめねじよりおねじへの負荷がかかるような設計にする方が実は得策です。
不具合の原因はワイヤーインサート自体にあるわけではない
ワイヤーインサート使用時に不具合があると、ワイヤーインサートそのものに原因を探したくなりますが、
多くの場合ワイヤーインサート自体に原因はなく使用環境に問題があります。
例えば、挿入しづらいときはタップが摩耗してしまっている、抜けてしまうときは下穴の大きさが合っていないことが多いです。
また、ねめじが破損してしまった場合は、お客様から
「ワイヤーインサート挿入箇所が破損してしまった。ワイヤーインサートの引抜強度を教えて欲しい。あるいはミルシートを出してほしい。」
というお問合せをよくいただきます。
ワイヤーインサートの引張強度を原因と考えるお客様もいらっしゃいます。
しかしこのような場合でもワイヤーインサート自体には問題がない可能性があります。
実はめねじ破損の原因はワイヤーインサートの引抜強度(※2)が十分でない場合が考えられます。
引抜強度は母材の材質や厚み、ボルトの径や強度、ワイヤーインサートの長さや入れる位置に依存しており、これらが適切でないとめねじの破損に繋がります。
ワイヤーインサートの長さと入れる位置を正しく設計していれば、もしトルクをかけすぎたとしてもボルトが先に破損するようになります。
※2…ワイヤーインサートと母材の定着強度のこと
正しい設計方法とは?
繰り返しになりますが、ワイヤーインサートは正しい設計方法で使用することでめねじの補強ができます。
正しく使えばめねじが破損することはあり得ません。
詳しい設計方法(ワイヤーインサートの位置、長さ)は資料をダウンロードしてご確認ください。
この資料が設計のお役に立てれば幸いです。
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