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課題解決の事例集

クリーンルーム内でのねじのゆるみ対策 強度区分12.9無電解ニッケル六角穴付きボルト

2026.09.15
お客様の産業電子部品製造装置メーカー
部署名設計

解決策のご提案

強度区分12.9無電解ニッケル六角穴付きボルトで、クリーンルーム内で使用するねじのゆるみ対策

相談までの経緯

課題の概要

装置に使用しているねじのゆるみが発生している。
耐食性の観点からステンレスの六角穴付きボルトを使用中。
ゆるみによって加工精度の低下や、コンタミに繋がる危険性がある。

問題の原因

装置を稼働させたときの外力が原因。
ゆるみ止めの使用を検討したが、ナット締結ではないためナット型のゆるみ止めは使えない。
また、クリーンルーム内で使用する装置のため、接着剤も不可。(コンタミ発生の可能性があるため)

当時のお客様の対策

今よりも締め付け強度を上げることでゆるみ対策をしたいと考え、ステンレス(SUS304)よりも強く締め付けられる材質の六角穴付きボルトを探した。
高強度ステンレスへの変更も検討したが取り扱っている調達先が限られており、入手性と価格面で懸念がある。

イケキンが提案したこと

課題解決の要件

①ステンレスよりも強く締め付けられること
②耐食性があること
③クリーンルーム内でも使用できる材質・表面処理であること

解決策のご提案 YFS製強度区分12.9無電解ニッケル六角穴付きボルト

ステンレス(SUS304)よりも高強度かつ本案件のクリーンルーム内での使用条件に適合する、強度区分12.9の無電解ニッケル六角穴付きボルトをご提案。
無電解ニッケルは薬品の化学反応(還元作用)を利用して金属の表面にニッケル合金の皮膜を析出させる表面処理技術。
電気を使わないため、適切なめっき・ベーキング処理を行うことで、水素脆性による遅れ破壊の可能性が極めて低くなり、高強度と耐食性を維持できる。

強度区分12.9の六角穴付きボルトの耐食性を上げるなら、塗装系の表面処理(ディスゴ、ジオメットなど)もあるが、今回はクリーンルーム内で使用する装置のため、剥がれの可能性がある塗装系の表面処理は使えない。
その点無電解ニッケルめっきは塗装系の表面処理と比べて摩耗性も高く、剥がれが生じにくい。

検証

無電解ニッケルは、遅れ破壊の可能性は極めて低いものの、リスクが完全にゼロというわけではなく、お客様はその点を懸念されていた。
しかし、現状のめっき処理工程においては、水素脆化(遅れ破壊)のリスクは極めて低く、生地の強度区分12.9の六角穴付きボルトと同等の使用が可能である。
その根拠として、めっきおよびベーキング処理(200℃/4時間)後のボルトにおける拡散性水素量が、危険域を明確に下回っていることを、試験結果により確認している。
YFS製の無電解ニッケル六角穴付きボルトについては、同条件のベーキング処理を適切に実施している。
第三者機関による試験結果に加え、めっき処理前後の試験データも提出し、強度に問題がないことも確認済。

対策の成果・結果

提案結果

適切な検証結果を提示し、①~③の要件を満たせることが確認できたため、正式採用が決定。

ユーザーメリット

クリーンルーム内で使用できるねじが見つかったことにより、ねじの締め付け強度を上げることができてゆるみの発生率が低減した。
お客様の声
強度区分12.9の六角穴付きボルトに表面処理をしていて、遅れ破壊によるボルトの破断などが起きてしまうと単なるコンタミでは済まず、機械の故障など大きなトラブルになるかもしれない、と懸念していたのですが、そのリスクが極めて低いということをしっかりとデータで示していただいたので、安心して採用に踏み切れました。
ゆるみ止め製品だけではない!多方面から考える「ゆるみ対策」
ゆるみ対策となるとナット型やワッシャー型のゆるみ止め製品、あるいは接着剤を使用することが一般的ですが、今回のケースのようにどれも使用できない環境下でゆるみが起きてしまうこともあります。
そういった場合でもお客様の状況を整理し、適切な対策をご提案いたします。
特にゆるみ対策については多数の解決実績がございます。
「ねじの課題解決事例集」にも掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
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