こんにちは!
今回は鋳物の工場に潜入してきました!
鋳物の製造方法はロストワックス鋳造、砂型鋳造という方法があります。
▼ロストワックス鋳造
ロウを利用した鋳造方法の一種で、ロウで原型を作り、周りを鋳物砂や石膏で覆い固め、加熱により中のロウを溶かし出して除去することによってできた空洞に溶かした金属を流し込むと原型と同じ形をした鋳物が出来上がります。

ロストワックス鋳造用のロウで出来た型です。これに砂をまぶして固めて型を作成します。

ロウの型に接着剤を塗布して砂をまぶした物です。これを乾燥後炉の中で焼き固めて中のロウを溶かし出して砂型を作成します。

焼き固めた砂型に溶かした金属を注ぎ込んで、製品の元を作成しています。冷ました砂型から中身を取り出せば半製品の完成です。

金型から取り出した半製品です。穴部などにはまだ砂が入っています。これをショット加工などで取り除いて必要な加工を施します。

完成品例です。ロストワックスでは他の鋳造より精密な加工が出来るため、このような小さい製品も製作可能です。

完成品例2です。これは水栓関連のノズルに使用する製品です。ロストワックスではステンレスを使用することが多いため、このような製品が多く製作されています。

完成品例3です。こちらはエクステリアに使用するガラスやアクリルパネルを立てるための部材です。SUS316相当材でヨーロッパ向けに製造しています。
▼砂型鋳造
鋳物砂でつくられた鋳型に金属を流し込み、冷却の後にその鋳型を壊して製品を取り出すという鋳造法です。

砂で焼き固めた型です。小さい製品の型の場合は型通しを重ねて一気に複数個鋳物製品を製作していくことがあります。

重ねた写真例です。異物混入防止のためビニールを被せた湯口より溶かした金属を流し込んで製品を作っていきます。

これは型というより、金属を溶かすための炉です。ここで数百キロ~数トン単位で材料を溶かし込み鋳込んでいきます。

砂型は急冷されてしまうと製品の割れや品質低下につながるため、鋳込む前に砂に埋め金属を型に入れていき、ゆっくりと冷ましていきます。

ここからは砂型鋳造の製品です。ヨーロッパ・アメリカ向けのピックアップトラックのフレーム部品です。このメーカーでは鋼でこのような製品を多く製造しています。

このようなハンドルのような形状の製品も鋳物向きです。機械加工で製造すると、削り代も多いためかなり加工に時間を要します。

こちらは農機具用のギアボックスです。社内で機械加工まで行えるため、品質管理面もしっかりしています。

身近にあるマンホールなども鋳物で製造されています。日本ではキャラクター物の複雑な形状のマンホールも出てきていますね。

機械のアームの可動部です。ここに機械加工をして最終完成品になります。