シーホースNEWS
2020年09月15日 配信

ねじの強化書(Vol.11)

十字穴と比較して六角穴はどういう利点があるかというと
ひとことで言うと「十字穴より楽に強い力でネジを締めることが出来る」です。
十字穴はネジを回す力の他に、すり鉢のような形のため
工具を上から押さえる力も必要になってきます。
上からの力が少しでも弱いと工具が上方向に浮いてきて
ネジ締めが出来なくなります。
このネジを回す力、回転力を「トルク」と言い
工具が上方向に浮いてくる現象を「カムアウト」と言います。

ところが、六角穴の場合、上から押さえなくてもカムアウトすることがなく
回す力だけネジ締めが出来ます。
言い換えると、与えたトルクがちゃんとネジに伝わる、「トルクの伝達が良い」ということになります。
それによって、強く締め付けることが出来ますし
上から押さえる力が要らないので、作業される方の負担も少なくなります。
また、ネジのサイズダウンにもつながりますし
六角頭と比較すると六角穴のほうがより狭い場所での締め付けも可能です。
さらにトルク伝達が良いのは6個の突起がある星型のヘキサロビューラ(6ロブ)です。

ただ、ヘキサロビューラはトルク伝達の良さも大きな利点ですが
突起が6個あるため、リセスが浅い場合でも工具が空回りしにくく
締め付けが安定するので、六角穴ならネジの軸部にまで六角穴が入り込んで
ネジが頭飛びする懸念がある場合にヘキサロビューラにすると
六角穴よりも安全に締め付けが出来る、ということになります。

前回に引き続き、主なリセスの種類についてお話しさせていただきました。
これまでの内容からすると、すり割りって一番ダメじゃないか
という印象を持たれた方がおられると思います。
果たしてそうなのでしょうか。
今回は以上です。

ところで、街角でネジを見かけると気になってしょうがないときがあります。
例えば、ネジ4本で固定しているのに、1本だけ長さが異なる、
3か所はダブルナットで固定しているのに1か所だけシングルになっている、
ネジ部が突き出していて危険だ、などですが
「こんな使い方アカンやん!」と 別に自粛警察ならぬネジ警察を名乗るつもりはなく
ただ、これはどういう経緯でこのような状態になったんだろう、
1本紛失してしまって仕方なく有り合わせのネジを使ったのかな、
とか、誰かがいたずらしてゆるめて持って帰ったのかな
とか、いろいろと思いを巡らせています。
状況が物語る意味や背景を勝手に想像して楽しむといったところです。




タッピンねじ締結で締付不具合ないですか?

タッピンねじを使用しているユーザー様で
「ねじバカ」「ねじ浮き」「ボス割れ」などのトラブルをよくお聞きします。

このようなトラブルは、事前の評価試験が正しいステップで進められておらず
トラブルが発生していることが多くあります。
イケキンのトルク試験サービスは、PCトルクアナライザーを使い
組み立てされているワークとタッピンねじで締付破壊試験を行うことで
原因を究明することができます。

試験結果に対して、レポートを作成し、改善方法のご提案をさせていただきます。
どんな試験を行うかは、こちらの動画ご覧ください。
費用に関しては、別途お見積させていただきます。






ひとりごと

営業部の吉武(ヨシタケ)です。
私は幼い頃から、遊園地が好きで、大の絶叫マシン好き。
日本で有名どころの遊園地の絶叫マシンは乗りつくしました。

イケキンに就職して、ねじ屋さんとなり
今ではねじのゆるみセミナー講師として、全国津々浦々回っております。
セミナー講師になるまで
ねじのゆるみのメカニズム、ねじのゆるみの正しい対策方法、
ねじのゆるみが起因の事故など、勉強させて頂きました。

そんな時、友人たち数名で遊園地に行くお誘いを受け
「行く行く!」いつもの調子で行くことを宣言。
そして当日、意気揚々とみんなで楽しみながら歩き
いざ乗るとなったそのとき・・・気になる。

ねじ屋さんの職業病が発症した瞬間でした。

「ねじ、ゆるんでないかな?」
「あの締結で大丈夫かな?」
絶叫マシンを楽しむどころではありませんでしたが、出発!
言うまでも無く、強烈な振動、衝撃・・・

私が普段ねじのおもしろ講座で皆さんに伝えている内容が
脳裏をよぎり続けました。
「ねじにとっては過酷な環境だろうな」
走行中もねじの心配ばかり・・・

それ以来、絶叫マシンを楽しむ時は
ねじが気になり、心の底から楽しむことができなくなりました。

ねじのゆるみセミナーの時に皆さんにお伝えするのは
ねじのゆるみがなぜ起こるのか、その対策方法、
そして「ねじのことを軽視しないで下さい」ということです。

おもしろ講座にお越しの皆様、このメルマガを読んでくださっている皆様は
ねじを軽視している方はいらっしゃらないとは思いますが
実際世の中では、ねじのメンテナンスを怠ったり、
違うねじを使用したことによる事故が起こっているという現実があります。
私はセミナーをするときは
「ねじってこんなに大切部品なんだ」という気持ちを込めてお伝えしています。

是非まだ受講されたことない方がいらっしゃいましたら
是非一度受講して下さい。