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ねじの強化書(Vol.11) ヘキサロビューラと六角穴の使い分け

2021.03.15
ねじの強化書

六角穴の利点とは

では、十字穴と比較して六角穴はどういう利点があるかというと、ひとことで言うと「十字穴より楽に強い力でネジを締めることが出来る」です。
十字穴はネジを回す力の他に、すり鉢のような形のため、工具を上から押さえる力も必要になってきます。
上からの力が少しでも弱いと工具が上方向に浮いてきて、ネジ締めが出来なくなります。
このネジを回す力、回転力を「トルク」と言い、工具が上方向に浮いてくる現象を「カムアウト」と言います。
ところが、六角穴の場合、上から押さえなくてもカムアウトすることがなく、回す力だけネジ締めが出来ます。
言い換えると、与えたトルクがちゃんとネジに伝わる、「トルクの伝達が良い」ということになります。
それによって、強く締め付けることが出来ますし、上から押さえる力が要らないので、作業される方の負担も少なくなります。
また、ネジのサイズダウンにもつながりますし、六角頭と比較すると六角穴のほうがより狭い場所での締め付けも可能です。
さらにトルク伝達が良いのは6個の突起がある星型のヘキサロビューラ(6ロブ)です。
ただ、ヘキサロビューラはトルク伝達の良さも大きな利点ですが、突起が6個あるため、リセスが浅い場合でも工具が空回りしにくく、締め付けが安定するので、六角穴ならネジの軸部にまで六角穴が入り込んでネジが頭飛びする懸念がある場合にヘキサロビューラにすると六角穴よりも安全に締め付けが出来る、ということになります。
前回に引き続き、主なリセスの種類についてお話しさせていただきました。
これまでの内容からすると、すり割りって一番ダメじゃないか、という印象を持たれた方がおられると思います。
果たしてそうなのでしょうか。

 

今回は以上です。
ところで、街角でネジを見かけると気になってしょうがないときがあります。
例えば、ネジ4本で固定しているのに、1本だけ長さが異なる、3か所はダブルナットで固定しているのに1か所だけシングルになっている、ネジ部が突き出していて危険だ、などですが、「こんな使い方アカンやん!」と別に自粛警察ならぬ、ネジ警察を名乗るつもりはなく、ただ、これはどういう経緯でこのような状態になったんだろう、1本紛失してしまって仕方なく有り合わせのネジを使ったのかな、とか、誰かがいたずらしてゆるめて持って帰ったのかな、とか、いろいろと思いを巡らせています。
状況が物語る意味や背景を勝手に想像して楽しむといったところです。
次回もお楽しみに!

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